話す時・聞く時の注意点

高齢者と良いコミュニケーションをとるには、会話の仕方が大切です。高齢者と会話する場合、こちらが話す時と、相手の話を聞く時のそれぞれに注意点があります。

まず理解してほしい重要な話をする場合は、一度にたくさんのことを話すのではなく、確認を取りながら少しずつ話すようにしましょう。話す話題は、相手が興味を持つ趣味の話や、天気や健康などの話が喜ばれます。
コミュニケーションを取る場合には、相手の横や正面から目線を合わせて話すとよいでしょう。そうすることで話が聞きとりやすくなり、こちらの表情を見て安心できるはずです。
また、高齢者は高い音域の音や早口で話される声が聞き取りにくく感じる場合があります。大きめの落ち着いた声でゆっくりと話しかけることが大切です。このように年を取ると聞こえ方や見え方が変わってくるため、高齢者の身体的変化を「どんな見え方?聞こえ方?高齢者の世界」で学ぶことをおすすめします。

高齢者の話を聞く場合は、目線を合わせて相槌を打ったりうなずいたりしながら、話に合った表情で聞くようにしましょう。話を途中で遮ったり、話の内容が間違っているからと言って否定することは避けたほうが賢明です。話を最後まで聞いた後に質問したり話しかけるなら、自分の話をきちんと聞いてもらったと言う満足感や自尊心を持ちやすくなります。
そして、辛いことや悲しい話の場合は、手を握ったり背中をさすりながら聞くと、共感していることを示すことができます。高齢者の中にはなかなか言葉が出てこない人もいますが、無理に会話しようとするのではなく、相手のペースに合わせて一緒に時を過ごすことも大切です。